ランチェスター戦略とは?

小さな会社が「戦わずに勝つ」ための戦略

「小さな会社は儲からない・・・」
その真の原因が「競争」であることは
ホームページトップ画面上の動画
「利益低下真の原因」でお伝えした通りです。

そして小さな会社が競争の影響を受けずに
大きな会社と戦わずして勝つための戦略が
ランチェスター戦略です。

ランチェスター戦略7つの特徴

仕事のやり方については
実に様々な方法が紹介されています。

こうした中、
「最後に行きつくのはやはりランチェスター戦略ですね」
と多くの社長が言っているのには、
7つの物理的根拠をハッキリとさせたことがあります。

  1. 利益がグーンと伸びるための「3つの目標値」の根拠
  2. 業績を良くするためには「1位を目指すべきだ」という根拠
  3. 小さな会社は大きな会社から「見た目以上」に攻撃を受けている根拠
  4. 小さな会社が絶対にやってはいけない「間違った戦略」の根拠
  5. 競争に勝つために投入すべき「営業量」の根拠
  6. 経営改善計画の「取組み項目と優先順位を数値でハッキリとさせた」根拠
  7. ランチェスター法則の応用で、曖昧になりやすい経営のやり方を「論理的に整理した」根拠

7つの根拠の元となった「ランチェスター法則」が
経営に活かされるまでのプロセスを
以下に御紹介致します。

戦略の大元は「戦争の法則」

生みの親であるイギリス人の技術者、
フレデリック・ウィリアム・ランチェスター氏は
第一次世界大戦時に2つの法則を発見しました。

第一法則

刀や槍などを使った、
「特定の相手を対象とした古代的な戦い」
をした時のA軍とB軍の攻撃力は
攻撃力=武器性能×兵力数で計算され、
互いの武器が同じなら
兵力数の差が攻撃力の差となります。

第二法則

大砲や爆撃機などを使った、
「不特定多数を対象とした近代的な戦い」
をした時の両軍の攻撃力は
攻撃力=武器性の×兵力数の2乗で計算され、
攻撃力の差が2乗比で開くこととなります。

A軍5人対B軍3人の場合

第一法則(古代的戦い時の両軍の攻撃力)
A軍の攻撃力=1×5人=5
B軍の攻撃力=1×3人=3
攻撃力の比は、5:3(1:0.6)

第二法則(近代的戦い時の両軍の攻撃力)
A軍の攻撃力=1×5の2乗=25
B軍の攻撃力=1×3の2乗=9
攻撃力の比は、25:9(1:0.36)

近代的戦いは力の差が
見た目の兵力数よりも大きくなるのです。

これからの戦いは航空機などを利用した
「不特定多数を対象とした近代的な戦い」になるので
第二法則を応用した戦い方をすべきである。
と提唱したのです。

法則が世界各国に輸出される

法則が書かれた本はアメリカを始め世界各国に輸出され、
日本でも読まれていました。

当時、着々と軍事力をつけてきた
ドイツや日本に危機感を抱いたアメリカは、
「いずれ両国との戦いは避けられないだろう」
と考えていました。

そこで国内の技術者・研究者らを集めて
効果的に勝利する方法を研究、
その際にランチェスター法則が応用され
モデルとなる戦略プランを導き出します。

そして第二次大戦へ

第二次大戦時にアメリカが日本に向けた軍事予算は
日本の5倍以上でした。

当時の戦い方は爆弾や戦闘機などを用いた
「不特定多数を対象とした近代的な戦い」
となっていましたので、
両国の軍事力の差は第二法則で計算されます。

両国の軍事力を第二法則に当てはめると
アメリカ:日本 = 5の2乗:1の2乗 = 25:1

アメリカは随所に第二法則を応用した攻撃を用い
第二次大戦は終了しました。

そして戦後、
アメリカ研究チームらの手によって
法則の内容が本にまとめられ、
その本は日本にも渡りました。

日本で経営に応用される

そこから様々な人の手によって、
「戦争の法則」を「企業間競争の法則」に置き換えられ
企業間競争に勝つ経営戦略への応用に展開されたのです。

その中で、
田岡信夫先生と斧田太公望先生の2人は、
ランチェスター法則を応用して
市場占有率の3大数値を発表しました。

これによって
「どこまで顧客を増やせば業績がグーンと上がるか?」
がハッキリとしました。

このような、
物理的根拠をもとに数値目標をハッキリと示したのが、
ランチェスター戦略の最大の特長です。

そして「小さな会社」の戦略指針に

そして、
小さな会社が大きな会社と戦わずして勝つ
ための応用は以下のようにされました。

大きな会社

第二法則が働くように、
「不特定多数のお客さんを対象とした経営をする」

小さな会社

第一法則が働くように、
「特定のお客さんを対象とした経営をする」

これが世の中で、
「小さな会社は大企業と差別化しなさい」
と言われている物理的根拠です。

あの企業も導入していた

ランチェスター戦略を経営に導入した企業として有名なのは
ソフトバンク、HIS、マツモトキヨシ、セブンイレブンなど。

いずれも市場では立場が不利な「弱者」だった頃に
ランチェスター戦略を導入して成長を遂げています。

たとえばセブンイレブンが
愛知に初めて店舗を出した市はどこか?

普通なら「名古屋市では?」と思うでしょう?

しかし当時はサークルK、ローソンなどが
市内でしのぎを削っていたため、
市内とは程遠いところから攻め入っています。

豊橋市です。

弱者は強者と直接戦わずに、
勝てるところから入って徐々に力をつけ、
ある一定のシェアを取ったら隣りの市へ展開する。

こうやって外堀から埋め、
最終的に名古屋市を落としています。

これがランチェスター弱者の戦略です。

ランチェスター戦略は、
奇をてらった戦略でもなければ、
ウルトラCを使った戦略でもありません。

小さな会社が、今持っている経営資源を活かして
強い商品力や営業力をつけるためには、
なにを、どれだけ、どのようにやったら良いのか?

そしてどのタイミングで次のステージに行けば
「無謀な拡大、暴走」とならないのか?

それを地味に、科学的に、淡々と創り上げていく戦略です。

小さな会社の、挑戦者の戦略なのです。

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